n0tgame’s blog

主にゲームの感想。日記。

CharadeManiacs 感想 - No.6 本当と嘘、友達と恋人

どっちも優しさで、どっちも大切だ。



■シャレマニ初見プレイの感想です。
ネタバレがあるので未プレイの方はご注意ください。






⑤凝部くんルート、感想。




来てしまいました。
セカンド・インパクトが。

前回の周回である陀宰くんルートでは、彼が「プロデューサーを今回に限りやらされていた」ことが判明し、ストーリーの全貌としてはある程度分かったのではないかと思っていましたが。
全然分かってませんでしたね。今回のルートでも明らかになる新事実が数多くあり散々度肝を抜かれました。

全体の感想としては射落さんルートと並ぶくらい面白かったです。
いろいろ書きたい感想はあるけど落ち着いて順に書けるよう努力しようね。。

まず陀宰くんの次に凝部くんルートを選んだ理由。
陀宰くんルートの最後に出てきた凝部くんが気になってしまったからです。
正直彼のことは今まで気になっていませんでした。
というのも、こういうシナリオだと場をかき乱す役って絶対居て、そういったキャラの「テンプレート」を私に意識させていたからです。もちろんタイプじゃないというのもあったんですけど(ひどい)
今回セカンドインパクトとなったのは、彼がその私の中のテンプレートをぶっ壊してくれたことが大きな理由です。シリアスシナリオとしても、乙女ゲームとしても。

まずこのゲーム、選ぶキャラによって「シナリオ」のエンディングの迎え方が全く違います。
私からすれば、デスゲーム物なのにエンディングが何個もある…という感覚です。
もちろん黒幕が誰だ協力者が誰だと言うのは基本的に変わらないんですが、「ゲームをクリアする」状況が全然変わってくるんですよね。
誰が残るか、死ぬか生きるかすらも。
デスゲーム物って基本一本道ゲームなので、ここまで枝分かれしてさらに謎があることにすごいとしか言えない。

そんななか凝部くんルートのすごいところは、「スポンサー」「プロデューサー」がすでに分かっていても、「実は本当のプロデューサーもキャストに紛れ込んでいてそれが凝部くん、もしくは他のキャストの可能性があるんでは?」と思わせてきたところです。(陀宰くんルートで「こっち側」に仲間がいるって聞いた時点で凝部くんがプロデューサーの線はないっちゃないかなと思ってましたが)
他のキャストと言ったら、もう該当するのは廃寺くんだけなんですけど。攻略制限かかってた三人は、やっぱり怪しいしストーリーの根幹にも関わっていましたから。まだやってない廃寺くんはとてもとても怪しいです。
ルートを完遂しても、廃寺くんがどういう意図であの行動をとっていたか私はまだよく分かっていません。
キャラの本当のところは固有のルートに行かなければ本当に分からないので、陀宰くんと凝部くんをクリアしていても廃寺くんルートではまた想像もつかないような衝撃的な展開があるんじゃないかと思っています。
廃寺くんが本当のプロデューサーであるとかね。
彼が名前も容姿も奪われながら、ずっと異世界配信に参加してきたってだけでもとんでもなかったですが…。

廃寺くんが怪しいと思う理由は他にもあって、
凝部くんは「自分を疑っていい、その方が君を信頼できるから」とずっと言っていたと思うんですが、廃寺くんが凝部くんを疑うことに関しては「悪役にしようとしている」と鋭い視線を向けてたんですよね。
特にそれが顕著に見えた終盤だけと言わず、瀬名ちゃんが声を失う時の台本でもそうでした。
なんで廃寺くんだけは例外だったんでしょうね?という話。

あと前回参加者なら、陀宰くんも廃寺くんのこと分かってたわけだよね。違う容姿だとしても、性格は変わらないだろうし…
ていうか、彼はなんで出してもらえなかったんだろう。だって前回配信で陀宰くん以外は元の世界に帰ってなきゃおかしいですよね?
毎回容姿が変わるって、裏切り者的にはかなり優位に立てるという点でも怪しいです。

極めつけに、凝部くんは「プロデューサーがわかった」ではなく「本物のプロデューサーがわかった」と言っています。
本物のとつける理由は今回だけのプロデューサーの正体が陀宰くんだと分かってたからじゃないかな。
つまり、真のプロデューサーがいるってわかってないと言えないし、その人は確実に凝部くんが知っている人であるわけです。

…ん?
マジで怪しいんじゃないか、これ。


このルートでは珍しく友情にも、恋愛と同じくらいスポットが当たっていた気がします。
凝部くんが罰ゲームの対象を右目にすると言った時、全てを察しましたとも。
彼も前回参加者だったのはびっくりしましたが、それ以上に陀宰くんのために異世界配信に戻ってきたということがすごいなと思います。
だって、考えてみれば。彼は今まで本気になれなくて演技もできず、誰も信じることが出来なかったのに。
陀宰くんのことが気がかりでせっかく帰ってきたところからまだ異世界へ行くって、それって本気でもないのにできる事?と思ってしまうんです。
つまり、自ら、自主的に本気になれたのは瀬名ちゃんが初めてかもしれないけど、陀宰くんの目を取り戻しに来たことだって無自覚とはいえ本気だったはずでしょ、と。
だからエンディングでも凝部くんは陀宰くんのことをずっと気にかけてたし、瀬名ちゃんとは違う意味でなくてはならない「存在」だと思うの。
皮肉だったのは…陀宰くんが、身を呈して自分だけ残ってみんなを返したというのに、凝部くんたちがまた戻ってきてしまったという事です。
本気を知らなくても、自分の代わりに罰ゲームを受けた意味が分からなくても、凝部くんの心が動いてたという事実がそうさせている。そう考えると、本当に一筋縄じゃいかないね。いろんなことが思い通りにいかないね…。
最後に陀宰くんの「瀬名の隣は譲る」、凝部くんになら任せてもいいって思えたんでしょうね。そう思ってそう伝えられる陀宰くんは、すごく強いね…。強いし、やっぱり優しすぎる。
でも、陀宰くんにとっても、凝部くんとの事を凝部くんが思い出してくれたっていうのは本当に嬉しかったんじゃないかと思います。紛れもない友達だったはずだから。

ここまではシナリオの話。
恋愛もとっっっても甘酸っぱくて良かったです。
告白のシーンの問答とか最高でした……………。(好きって言って?のとこです)
心の準備、覚悟させてくれるところとか、そこから告白に持っていくところとか、いい意味でずっと気持ちが休まらなくて、きっとこうなんだろうなって想像して、楽しかったです。
本気の時に俺っていうの、使い分けてるのかと思ったら無自覚でびっくりしました。
ベタベタしてきて距離が近くて、こっちが一方的にドキドキしてるのかと思いきや、大事なシーンでは彼も緊張してるとかヤバいですね。冗談にしても思わせぶりなこと言ってきたり、それに振り回されてる瀬名ちゃんもマジで可愛くて。振り回され加減が他のキャストと違って面白い。瀬名ちゃんも思わず手が出てしまうレベルとは…
凝部くんはずっと瀬名ちゃんを振り回していたけど、最後は絆されて心を持ってかれてると思うと最高ですね。あなたも振り回されちゃったってことですよ…。

あと前回囚人服?とか言ってごめんなさい。あれ多分寝巻き……。

隔離ルートではシャレードについて言及がありましたが、そろそろタイトルの意味も考えていきたいところです。
OPの歌とかにも意味がありそうだし、後でちゃんと聴きたいな…。

そんなこんなで、友情愛情と一度で二度美味しくとても楽しませて頂きました。夢女センサーも働いたことによって、射落さんと並ぶレベル。本当に面白い、このゲーム。ありがとう。

今のところ一人攻略にかかる時間は5、6時間くらいかな。ボイスも豊富なのでかなりボリューミーに楽しめてる。
それにしても、プレイする人によって攻略順も違うあたり、人によってこのゲームの印象も変わってきそうな気がしますね。
周回するにつれて、次誰にしようという気持ちも、最初はこの人見た目がタイプとか些細なことから、この人が本当はどういう立場なのか思いなのか知りたいとか思ってきて…あれ、私、恋愛しに来たんじゃなかったか?
プレイヤーがキャラクターを選ぶ時の心情が恋愛に囚われないのもこういうジャンルの面白い所なのかなと。
キャストごとのトモセくんの振られ具合が悲しくなってきたのでそろそろトモセくんルートやりたいです。。


ふと思ったことなんですけど、乙女ゲーって、キャラクターと結ばれることがゴールじゃないですか。
好きとか愛してるとか。そこは固定で変わらない。愛の形にも種類があると思うけど、ゴールが決まっているという意味ではかなりエンディングが限定されると思うんです。
だから、そこに至る過程が重要になる。
どう仲良くなるか、どう進展するか、どう結ばれるか…
それはゴールのための装飾で、演出だと思うんですけど、そういう考え方って面白いなって思ったんです。
定められた告白を、意味のあるものにするための壮大なシナリオと美しい舞台を用意する。
物書きの人や漫画を描く人は、自分の一番書きたいところを書いてから他の肉付けをしていく人もいますが、その考え方と少しだけ似ている気がします。
…乙女ゲーを作るのも面白そうですね。
私は普段趣味でゲームを作っていますが、こういった考え方は乙女ゲーに限らずも結構活かせそうだなと思いました。
このゲームはシリアス面も恋愛面もとても充実させてくれました。話に重きがあるので、複雑に絡み合う物語が好きならアクションゲームとかよりこういうゲームやる方がいいんだろうな。
アクションゲームはアクションゲームで、それにふさわしい物語の作り方があるのだろうけど…アドベンチャーゲームほど融通はきかないよなぁ。そこを越えられたら、何か新しいゲームが誕生しそうな気がするけど。
今回のゲームはびっくりするほど選択肢選ぶだけなので、そういう意味ではアクションゲームと比べたらゲーム性は限りなく低いんだけれども。うーん…
それがゲームであり、楽しめるエンターテインメントならなんでもいいけどね!!!

はちゃめちゃ長くなったけどこんなところで…書きたいこと多すぎた…。